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2005年02月10日
対北朝鮮戦その2
試合が終わった後の安堵感は必要以上だったかも知れない。
しかし、同点に追いつかれた時には負けも覚悟した。
高原のシュートがあらぬ方向に飛んでいった時には引き分けでいいとさえ思った。
第4審が掲げたボードに”3”の数字を確認したときは希望と絶望が交錯した。
そこにあの大黒のゴール。昨年良く見た風景。そうあの中国の地で。今それが目の前で起きた事に信じられないという思いと同時に、喜びという言葉以上に大きな大きな安堵感が私の心にあった。

北朝鮮応援席全景
この日スタジアムには6時ぐらいに着いた。
浦和美園駅から歩く道のりは二つに分断されており、片方が日本代表サポーターで今一方が北朝鮮サポーターという分け方だったようだが、北朝鮮側はあまり人が歩いておらず(当たり前だ)何故か日本代表のユニフォームを着ている人もチラホラで、何だか良く分からない規制だった。言われていたほど警察官の姿も目立たず各メディアで報道されていたような厳戒態勢!という雰囲気では無かったように思う。(さすがに北朝鮮側応援団バス周辺は凄かったようだが)
更に入場時のチェックもいつものカバンチェック(大甘!)とプラス金属探知器(超甘!)ぐらいでそれほど厳しいとは感じなかった。但し上空を飛ぶヘリの数と数多の報道陣とそこから発せられる喧噪が”決戦”の雰囲気を醸し出してはいたが。
スタジアムに入ると既に北朝鮮側応援団が応援を始めており、そこに鎮座するブラスバンド部が高校野球のそれを思い起こさせ、何やら懐かしいやような、またこの場に似つかわしくないような不思議な気持ちにさせてくれた。
日本のゴール裏はスタジアムの場所が場所だけにこの時間ぐらいではまだ全て埋まらず結構空いており微妙な温い雰囲気がありあり。北朝鮮応援団が応援を始めると思い出したかのように日本コールとブーイングをする程度で、あの熱く苦しかった97年9月7日の試合開始前とは大きく様変わりしていた。そういえば自分の席もいつの間にか代表では多くの試合がゴール裏からバックスタンドに替わっている。8年の歳月は短いようで長く重い。
試合は観ての通りだが今後に修正の示唆を多く残すモノとなった。この日は4バックにしてから(中盤を厚くしてから)チームが機能し始めたが、それとてこれまでの経緯を考えるとだったら試合開始から4バックというのはリスクが大きすぎると考える。国内組と海外組のブレンド比率問題にしても、この日は前述の通り4バックにして中盤を厚くしサイドのケアを3バックの時(特に三都主のサイド)ほど考えなくて良いことによるボランチの安定と、それに伴う2列目(中村と小笠原)の自由化(後ろをあまり考えなくて良い)という要因に導かれたものだと私は思っている。海外組を出せばレベルが上がるというのは昨年の一次予選で幻想だということは分かっているはずだ。実際この日の中村と回りの連携は私には今一つのように思えた。また高原は相変わらず代表では信用できない。
終了間際に大黒のゴールが決まった時はそれこそスタジアムには地響きとしか言いようの無いものが響いていた。私のまわりも誰彼無くハイタッチやら抱き合うやらでものすごいハイテンション。その前までの”焦燥”という言葉が最もふさわしい雰囲気からは一変した。私も無論嬉しかったがそれ以上に上記のように大きな深呼吸と共の安堵感に包まれた。
とにかく1戦目は終わり無事ホームで勝ち点3を得たことは何より大きな成果であり事実なのだ。この結果を以て次の対策をジーコには立てて欲しい。ともすればうまく行かないと安易な改編(僕等素人にも分かりやすい人選)を行いがちな監督だからいきなりの4バックに黄金の中盤復活というのもあり得るかも知れない。それだけは無いと祈ってはいるが。
但し私はこの代表人選問題に勝とも劣らない深刻な状況が今の代表を取り巻く環境にあると考える。
この日、私の座ったバックスタンドではあの展開の中、ラスト5分を過ぎると席を立つ人が目立ち始め、しかもあろうことかその流れが途切れなかった。
確かに埼玉スタジアムは立地も悪く、ともすれば異常にその地を脱出するのに時間がかかってしまう環境にある。子ども連れで帰りの混乱を避けたい気持ちも十分に分かる。だがこの日はどう見ても東京近郊に住んでいそうな大人だけのグループ(若い奴ら多し)やらカップルやらも次々と席を立っていた。
昔の事と比べてばかりでなんだが、かつての”決戦”と名された試合でこれほど人が席を立つことを私は知らない。しかも点差が離れており勝敗が見えているのならそれも仕方無いが、同点でしかも日本はホームで絶対に勝たねばならない状況下にあったのに、だ。しかもこの日の戦いはワールドカップアジア地区最終予選なのである。その重みを知ればおいおいとあの状況で席を立てるわけが無い。いや、あの状況で席を立ってしまうぐらいにしかこの試合を観ていないのならこの日この場所に来るべきでは無いだろう。市中にはチケットを取れなかったかつての歴戦の猛者は大勢いるのだ。この光景を見たら彼らの思いは如何ばかりだろう。私はこの予選に於いては日本代表を覆うこの浮かれた(としか表現出来ない)空気が最大の敵だと思う。敵は眼下にいる。
ついでに…
これはあちこちで書かれているのでついでだが、私もULUTRASを中心に歌っている”ジンギスカン”は応援には合わないと思う。曲の拍子に間が空きすぎで勢いが無い。攻めるテンションにはなれない曲だ。CDまで作って引っ込みつかないのかも知れないが、彼らの目的からしても商売よりも大事なものを考え是非再考を期して欲しい。
投稿者 bellwin : 2005年02月10日 16:37