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2005年03月13日

徳島蹴球紀行 前編

徳島空港に着くとそこは北国だった。
「寒いっ!」。東京より断然寒い。しかも風が冷たい。
こんな天気では空港前に植えてあるパームツリーがあまりに嘘っぽく感じる。
よく日本で「南国」と言われる都市は自生もしていないこの樹を植えているが、これは安っぽい看板みたいでどこか嘘っぽく偽物感を漂わせており逆効果ではないだろうか。
その土地の空気に溶け込んでいないのだ。
そういや本物の南国沖縄にはわざわざ空港前にはこんなもの植えていなかった気がする。
それともあの熱帯独特の空気に溶け込んでいて僕が気づかないだけだろうか。
なんて事は本論と全く関係ないのだが、ともかくこの寒さのため、徳島に着いた第一の感想はそんなへんてこりんなものだった。
3月12日、僕は徳島に湘南を追いかけて対ヴォルティス戦を観に来た。

空港で聞いた通りスタジアムのある鳴門方面に向かうバス停に向かうとそこには私と同類の湘南サポの方が一人バスを待っていた。
結構飛行機内ではそれらしき方を見かけたのだが、皆さん一旦徳島市内に向かってから鳴門に出るのだろうか。このバス停でバスを待つのは2人きりだった。

ともかくその彼と二人で情報交換をしながらバスを暫し待ちやがて乗り込む。
鳴門までは15分くらいかかるという話だったが果たしてほぼその時間通りにバスは同町に着く。
ただし、このバスはスタジアムまで行ってくれるわけでは無さそうで、その近場のバス停(市役所前!)で降りるしかなかったのだが、ここからスタジアムまでが思いの外歩いた。しかもホントにJリーグやるの?という感じののどかな田舎道だったため少し心細い。

だがやがてそれらしき建造物が見え、それらしき人々も歩いており、ここに来てようやく僕は鳴門陸上競技場に初めて訪れたことになったのだった。

050313.jpg
寒風の中試合を待つ湘南サポーター

スタジアムの外ではテキ屋というより地元の商店の方らしき露店がいくつか並ぶ。
どこにも”必勝!徳島ヴォルティス”みたいな手書きPOPが張られており微笑ましい。
そして徳島ではJリーグ開催は初めて、というより”Jリーグの徳島ヴォルティス”初めてのJ開幕試合であるため、地元のTV局とおぼしきカメラクルーもその周辺にちらほら。ローカルのNHKでも生中継らしい。
だが、全体的な雰囲気は水戸のそれに近くのどかな感じで、ヘリコプターがバリバリ飛び交うような東京での喧噪とはひと味違う静かな開幕ゲームである。

スタジアムではA席とB席に分かれており、バックスタンドのみがB席で500円安い。
不思議な構成だがこれには訳があって、バックスタンドは芝生席でメインとゴール裏は立派な椅子付きのスタンド。つまりは見やすさの優劣より席の優劣で券種を決めているようだ。
しかも何故か値段の高いメインスタンド側から埋まるというのも不思議な光景で、そのかわり安くて見やすさもまずまずのバックスタンドは空いている。無論立地の割には値段の高いゴール裏は更にガラガラなのだが。

僕がスタジアムに入るとそのガラガラのゴール裏ではオープニングセレモニーということで、地元の合唱団が何故かベートーベンの第9を歌っている。
歓喜の歌だからということだろうが、何だかこういう時にあうようなあわないような、しかもガラガラなゴール裏なんぞで歌うものだから侘びしさも若干漂う不思議なオープニングセレモニーだった。

そういやトイレもスタジアム外にしかないため出入りも自由で、ゲートチェックの係員も中学生?らしい女子(まさに女子!)が二人というところ(しかもアウエイサポが陣取るところだよ)もあったりと、のんびりしているというかとても大らかなのである。

ところが天候はそんな大らかさとは正反対の厳しさを持って我々を迎えてくれたのだった。
(続く)

投稿者 bellwin : 2005年03月13日 08:25

コメント

>地元の合唱団が何故かベートーベンの第9を歌っている。

http://www.city.naruto.tokushima.jp/daiku/daiku_index.html

2002W杯で鳴門はドイツのキャンプ候補地(結局は宮崎)でした。広島県似島にも第一次大戦のドイツ人捕虜収容所があり、広島高等師範(現広島大)や広島一中(現国泰寺高校)はドイツ・サッカーとの交流を通じてサッカー王国広島の地歩を築いたそうです。

投稿者 蹴球閑人 : 2005年03月14日 20:06