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2005年07月01日

アルパイ解雇

浦和レッズのDF、アルパイ選手が解雇された。
理由はファールが多く出場停止が多い現状ではチーム戦力にならないとのことらしいが、たぶん、クラブフロントも現場の首脳陣も選手もレッズサポーターもそして本人もこのほど意に添わない解雇理由というのもないのでは無いか。

アルパイというプレーヤーは人に強く当たり負けしないというヨーロッパでは当たり前のディフェンダーである。確かに気性は荒いところもあるが、プレーそのものは激しいが汚いというイメージは無く、むしろDFとしてあれだけ人に強ければチームとして心強いことこの上ないだろう。

ところが彼がヨーロッパで普通にやっていたプレーが、Jリーグだと何故かカードの対象になってしまう。ちょっとタックルをかましただけでイエローだ。そして少しでもその判定に対し感情を表せば(抗議ではなくとも)更なるイエローを喰らってしまう。本人にとってはこれらの判定は甚だ不可解であり、彼の今後を考えれば国外への移籍の方が良いのかも知れない。

ただ、これは日本のサッカーにとっては大きな損失ではないか。彼が魅せるプレーというのがDFの国際基準であり、それは彼がプレミアで3年間やれてきて、トルコ代表としてレギュラーを張っていたことからも分かる。もし日本で見られたように毎度のようにイエローカードを喰らうような選手なら、これらのキャリアはとうてい手にいれることは出来ないであろうから。そのヨーロッパ基準のプレーに日本の観客もそして何より選手が普段の試合で体験出来ない。これは日本サッカーにとって大きな損失ではないか。浦和のブッフバルト監督も「本当に残念。国際的に認められている彼のプレーが、ここでは警告になる。損失だが、日本を出ることは彼にとってはいいことかも知れない」と、半分諦めにも似た感想を述べているほどだ。

私はその世界基準である彼のプレーにイエローを出してしまう日本の審判の判定を今後改めないと、日本はいつまで経ってもその世界基準には到達出来ないと以前から書いている。小笠原が岡田審判に研修会で「何故国内と国外ではファールの基準が違うのか」と質問したところ、「我々が正しい」と答えられた、とサッカーダイジェストのコラムで書いていたのは有名な話だ。このエピソードを見ても日本の審判は勘違いをしているとしか思えない。彼らは法律を解釈する裁判官では無く、我が国は世界NO.1のサッカー大国でも無い。どちらが正しいなどという解釈論はどうでも良い話であり、世界での基準を中心に運営してもらわなくてはサッカー行進国の日本としてはいつまで経っても蚊帳の外におかれるだけである。

また、これも雑誌の対談で読んだもの(確かサッカー批評)だが、やはり岡田氏がこのファールの適用違いに関して「Jリーグだとすぐに選手が倒れてしまうから笛を吹かざるを得ない。」という趣旨の発言が掲載されていた。これなども一瞬もっともらしい発言だが、そもそも笛を吹いてもらえるから選手も頑張らないで倒れてしまうのではないかとも言えはしないか?実際、あの中村などは倒されてもなかなか笛を吹いてもらえないセリエAに移籍すると、最近は国際試合でも倒れないプレーぶりに変わっていた。鶏が先か卵が先かの議論になってしまうが、私は岡田氏のこのもっともらしい意見が、こうした中村の変化を見ていると単なる逃げの意見としか思えないのである。

確かにサッカーの競技規則には接触プレーはいけないとは書いてはいないが実質は禁止に近い。(一例:ボールを奪うために相手にタックルしたり、ボールより前に相手に接触した場合、不用意に、また無謀に、あるいは過剰な力で行ったと主審が判断した場合はファールとある。)
しかし、このあいまいな規定に対し杓子定規にて全て笛を吹いてしまうと試合としては興ざめすることこの上ない。その実例は幾度も見てきた。(先週の草津対湘南での北村主審もその面では酷かった)何よりルールをまともに解釈すれば接触プレーは全て禁止になってしまうのがサッカーのルールなのだ。ただ、それをまともに守らせようとしたらそれはサッカーではない。蹴鞠である。そこをヨーロッパの審判は分かっているからこそ、余程過度の行為か悪質で無い限りはカードは掲示されないのである。これはどうも日本にはこの競技がサッカーというスポーツになってから輸入されたもの、ヨーロッパではその原点(何をしてでもボールを奪うという非常に荒っぽい競技)から派生したものという過程の違いが生んだとも言える。あとは、異常にスポーツにフェア性や潔癖性を求める体育教育の弊害もあるとは思うが。

とにもかくにもアルパイのような有能で屈強なDFがまともにプレーが出来ないこの国の審判の基準は、少なくとも世界と一対一で負けないという強化方針を掲げる日本サッカー協会の育成方針と大きく違っていると思うのだが、これを協会はいかように考えているのだろうか。一度真剣に聞いてみたい。

投稿者 bellwin : 2005年07月01日 11:34

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