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2005年10月02日

金返せ

僕は基本的に客だからと言って何をやっても良いとは思わない。中でも結構安易に叫ばれる「金返せ!」という意識も好きではない。”サッカーのチケットを買う”という行為には、試合を見に行くまでのワクワク感、試合前のスタジアム内外の雰囲気、そしてサポーターの繰り出す歌と叫び声、これらを含めてTVではとうてい味わえない”臨場感を買う”と行為だと思っているからである。試合だけを観るのならTVでも何とかはなるはずだ。そもそもそんな権利意識の固まりを持っていてはサポーターという人種は務まらない。

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ススキも実る中、まさに秋晴れの日産スタジアム

それにしてもだ、昨日の横浜マリノスの試合にマリノスサポーターはもっと強い抗議の意識は持つべきだ。降格を争うチーム相手に昨年王者が力負け。しかも自らが降格争いに首をつっこみかねない順位にまで落ちてしまった。ボール際は競り負け、シュートは打てず、DFは集中力を欠き、監督は妙な采配(スタメン選び)で試合を壊す。マリノスからすれば全くいいところの無い最低最悪の内容である。ゴール裏の住人なら罵声の一つや二つでは収まらないはずだ。金なんかではなく俺のマリノスを返せと叫びたい気持ちだろう。実際、マリノスには珍しくバックスタンド全体からもブーイングが飛んでいた。なのに実にあっさりとしたブーイングで終わってしまった。(サンダルを投げている馬鹿はいたけど)いや、本当は激しい抗議の意志はあったのかも知れないが、僕の見た範囲ではあっさりとしすぎていたようにみえた。

湘南も金曜にホームに福岡を招いて対戦したがあっさりと負けた。自分は都合により行けなかったので何も言う権利を有しないが、たぶん、試合後の雰囲気は昨日の日産スタジアムと同様だっただろう。やり場の無い怒りと徒労感に支配される観客席。そして、その虚脱感の中、型どおりのブーイングと幾分かの拍手という、なんだかぬるい感じで皆会場を後にしてしまう。

だが、この日は試合後に平日にもかかわらず足を運んだサポーターが居残り、チームに対し、話し合いの場を求めたらしい。そしてそれは試合後1時間に及んだということだ。

この手のものをよく人は自己満足の世界というが、確かに別にチームの一社員を呼びつけて話をしてもすぐに変化があるとは思わないし、何より後かたづけの方の手と時間を煩わせることになってしまい大変難しい問題でもある。

だが、何より大切な時間(しかもミッドウイークの夜)を使ってでも抗議をしたいという行為を僕は否定できないし、何よりそこには単なる欲求不満ではない熱い何かがあるとさえ感じる。熱さがあれば何でも良いのかよ!と反論する諸兄もいるだろうが、「金返せ」と権利意識むき出しの罵声を浴びせるだけ浴びせてスタジアムを後にすることよりも僕は遙かに強く、そいて尊いものを感じるのだ。それは権利意識ではない「何か」。それが何かなのかはうまく説明できないが、少なくともサポーターは「権利」を求めてスタジアムに足を運んでいないし、その何かを感じるからこそスタジアムに通い続けるのだろうとは思う。

金返せという権利意識ではない、俺らの叫びを聞いてくれという強い愛情と気持ち。これがある限りクラブは無くならない。そこに居なかった自らの情けなさはさておいといて、そこに居て自分の気持ちを表したサポーターの心の強さを僕は凄いと思うし、それはきっと湘南の強さになるはずだと信じている。

投稿者 bellwin : 2005年10月02日 17:04

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