2006年06月17日
ドイツ滞在記2
帰って来て早速、湘南の試合に行けば、横浜FCに完敗。ついに6連敗。どこに行っても負け続ける俺って…。
さて滞在記2です。
来週の土曜の日本対クロアチアで果たしてここまでこの町はここまで盛り上がるだろうか?それほどまでに盛り上がりを盛り上がりを見せるニュルンベルグ。
その街の主役はメヒコ!である。
昨夜、遅くついた事もあり、いまいち寝不足の中、ホテルのシャトルバスにて空港駅に向かう。ドイツ人は厳格に思えるが、ここではそれは嘘っぱちのようで今回の滞在中、時間通りに電車やバスが来た試しがなかった。このホテルのシャトルバスも30分に一本というタイムスケジュールなのに何故か30分遅れて僕らを駅に運んだ。
駅では早速ジャーマンレイルパスのバリテーション(切符使用開始の儀式みたいなもの)を行うためにチケットセンターを探す。やがてすぐ見つかった。なぜならニュルンベルグまでのチケットを求めるメキシコ人が既にそこで「メヒコ!(プププ!)」のコールを始めているからだ。そこはメキシコ人の長蛇の列であった。
それを横目に見ながらバリテーションが出来るサービスセンターで手続きを済まし、ICE乗り場を探す。その間もメヒコは目に付く。いったい何人来ているのだろうか?
予約しておいた便が来るまでは駅のベンチにて待つこととする。ここで何人かの日本人と話をするが、いいおっさんが自分とは比べものにならない長期の滞在をすると人と出会う。そんあ例を次々と聞くと自分が情けなくなる。何で、俺、わずか数日の休みとるのにこんな苦労しているのだろう、と、。
ICEは新幹線より速いという事で有名だが、実はすべての区間を300キロ走行をするわけではないようで、僕の乗ったICEはほぼすべての区間がふつーの特急並のスピードだった。但し、300キロ走行をしたときは誠に早い。

フランクフルトでのメヒコ。
そして2時間をかけてフランクフルトからニュルンベルグに着いた。この街はいかにも中世風味溢れる、日本人の僕から見たらいかにもヨーロッパ的な町並みが保たれている素晴らしい地域だがこの日はそれらの風情とは全く関係なく、ヨーロッパどこ吹く風のメヒコ達に占領されていた。町中、あのグリーンを来た奴らが闊歩しているのだ。しかもあちこちから歌声と応援の声が聞こえる。しかもとても楽しそうで、端から見ているとそれだけでメキシコのファンになってしまいそうだ。とにかく陽気でファンな連中だった。そんなファンな連中にバールはすべて占領されていた。たぶん、バールの店員も人生で一番忙しい日を送った事だろう。
因みにイラン人もそこそこ居たが、別の人に聞くと出稼ぎでドイツに在住する人達だという。しかもチケットを持っているわけでは無いので、試合も見られない人が多いらしい。推測するに民族のアイデンティティを確かめに、ここニュルンベルグに来ているのかも知れない。

ニュルンベルグを埋め尽くすメヒコ。
試合会場はこの街の中心部からSバーンと呼ばれる近郊電車に乗って約10分ほどのところにある。日本がクロアチアと対戦するスタジアムでもある。
試合会場に着くとまず僕らはチケットセンターを探す。妻の分のチケットが現地交換のためである。しかし、これが難儀した。
何よりそのチケットセンターがどこにあるのかがどこにも表示されていない。しかし、その場所を聞くにも係員が見あたらないのだ。仕方なく、チケットコントロール(入場第一ゲート)の係員にようやく聞き出し、大きなテントで作られた仮設の建物を見つける。しかしそこは混沌としたコントロールされていない場所だった。
ここにはメキシコ人を中心としたあらゆる人種がチケットを求めて集まっていた。あるものは名義変更、ある者はチケットのピックアップ、あるものは当日券が出るのをひたすら待つ者、それらが、メチャメチャに入口に向かってなにやら叫んでいるのだから、たまったものではない。しかもそのテントの中に入れるのは主張したもの勝ちみたいな雰囲気である。ここは日本人、大和魂を見せないわけにはいけない。日頃満員電車で鍛えた割り込みであっという間に先頭へ行き、「俺はチケットを交換したいんだ!これを見ろ!」係員に詰め寄り、あっさりとチケット交換した。因みにこの時、付き添っていた僕のチケットがパスポートの名義と違うと問題になったが、結果、スタジアムには入場出来たので、あまり名義は関係ないようだ。僕の行った他の会場でもそんなものをチェックしているそぶりは無かった。
スタジアムは思ったより見やすいスタジアムだった。トラックはあるのだが、その幅は狭く十分見るに堪え得るスタジアム構造である。屋根の範囲も申し分無く、決して大きくは無いが、サッカーを見るには何の問題もなかった。

国歌斉唱、メヒコ、いつものポーズ。
さて、試合だが、メヒコの猛烈な応援もあり、メキシコの順当なる勝ちで終わる。
イランは前半は良かったのだが、後半はばてたのか、攻めに出られなくなり、守りに入った戦いぶりに代わり、そこをメキシコの巧みなパスワークで崩され始める。結果、3-1という点差により試合は終わるのだが、ともかく圧倒的なメキシコ人と少数ながら頑張るイラン人の応援のすごさに圧倒されっぱなしで試合よりもそちらのほうに目を奪われていた。あれほど混沌としながらも、まとまる時にはまとまり、その応援には恐ろしいほどのパワーを見せつけるメキシコ人達のサッカーにかける情熱には圧倒されっぱなしだった。

結構いたイラン人。一時期は追いついたのだが…。
試合後は何人もの目に涙を貯めるイラン人を見た。その横を相変わらず、陽気で賑やかに勝利を叫ぶメキシコ人達。あまりに対照的で、ワールドカップの持つ意味を改めて考えさせられた。民族の誇り、それをかけたものがこのワールドカップなのである。だから、ワールドカップでは軽々しく負けてはいけないし、選手はその背負っているものを考えてこの場でプレーをしなくてはいけない。そう考えさせられる試合後の風景であった。
試合が終わり、ニュルンベルグの駅で電車を待つ間にもメヒコは騒ぐ。そりゃ勝ったから当たり前だ。いつの間にかイラン人は居なくなっていた。勝者と敗者、残酷なものである。明日はその構図が僕らにものしかかる。でも主役になれるのだ。出られないワールドカップを見に行くより主役になれるワールドカップを見に行く方が遙かに良い。明日は僕らの番、陽気に騒ぐメキシコ人を見ながら改めて心を高める。
投稿者 bellwin : 2006年06月17日 21:31