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2006年07月09日

大西氏の死

ザスパ草津の大西忠生社長が亡くなった。先月29日の事だった。以前よりガンであることを公表していたが、3年あまりの闘病の後のことだった。

大西氏に関しては僕があれこれ話すより「サッカーがやってきたーザスパ草津という実験」(NHK出版 辻谷秋人著)に詳しい。この本によると、大西氏は賢持宏昭前社長によってザスパにやってきたらしい。

その後のJ2にあがるまでの苦闘ぶりはこの本を読んで頂くとして、昇格後がそれ以上にいばらの道であった。昨年、それまでクラブを引っ張っていると見られていた賢持氏の不正受領が発覚。気がつくとチーム財政はガタガタで、その火中の栗を拾うように大西氏は社長に就任した。その後、なんとかザスパの財政を立て直そうと試みていたが、その志半ばでの死だった。

その弔いは勝利で、ということなのだろう、この日のザスパは実にアグレッシブだった。また、ザスパサポーターの応援も以前より迫力を増していた。それは、先週約2ヶ月ぶりに勝利したとはいえ、チームの成績不振と比例するようにアウエイ参戦者激減の僕ら湘南サポーターを圧倒する。その声はやがて「オオニシ!」となるとよりボルテージを増した。試合前の黙祷の静けさとそのコールの大きさの対比は追悼する意を強く感じさせるものだった。まさに弔い合戦だった。

試合は開始早々動く。何故か集中力を欠いた湘南DF陣はマークがルーズで、ザスパの吉本に簡単にポストプレーをやらせ、それを受けた山崎にゴールネットを揺らされる。

そもそも湘南の選手からは声が聞こえない。全く静かなピッチである。もう黙祷の時間は終わったのにだ。だからGKとDFの連携もちぐはぐ。その間隙を突かれた失点だった。

早速切れる僕らサポーター。「何やってんだ!」「集中しろ!」「そもそも声が出ていない!」「相手の事を気にしている場合か!」 罵声がピッチに飛ぶ。

やがて、その声に押されたのか湘南にいつもの集中力が戻る。やがて時間は僕らのものに。特にこの日復帰したアジエルはドリブルで相手を切り裂き、まさに心強い。そして得点もこのアジエルからで、そのスルーパスを見事にオフサイドラインを抜け出した梅田がGKと激突しながら決めた。

ハーフタイムになると雨が強くなり始め、後半が始まる頃には本降りに。その雨に気を取られたのか、またもや湘南は集中力を失い、後半開始直後にセットプレーから得点を失う。点を決められるのも当たり前。遠くから見てもマークがずれていたのが良く分かった場面だった。

またもやの展開に、少ないながらもいろいろな想いを抱いて群馬までやってきたサポーターは怒り心頭。特にそれまでのルーズな守備を見せつけていたボランチの坂本には罵声の嵐。また、ちっとも上がらず、ボールを受ける準備さえもしていない右サイドバックの富山も批判の的。確かに両者はアリバイちっくな中途半端なプレーが目立った。

しかし、再度湘南は追いつく。1点を追いかける湘南は必死にゴールを目指すが、守りを固める草津の鍵はなかなか開かない。そんな時、ゴール前で相手DFの足に当たったボールが横山の前に。難なく横山がゴールに押し込む。まさに草津からするとアンラッキーとしか言いようがないゴールであった。

その後も湘南は攻め続けるが、何とか守る草津のDF陣を崩すことは出来ずタイムアップ。湘南にとっては勝てた試合をまたしても落とし、草津にとっては弔いを勝利で飾れなかった悔いの残る試合だった。

試合後、半分怒りながら引き上げる僕の背中越しに、雨の降りきしるスタジアム中に響く「オオニシ!」のコールが聞こえる。、と怒りも忘れ、しばし聞き入る。

それは少しセンチメンタルな気分にさせる、寂しく、だが、力強いサポーターからの鎮魂歌であり、今後の草津を支えていくという”宣言”にも聞こえた。

謹んで大西氏に哀悼の意を表します。

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本文とは余り関係ないが、敷島競技場に行ったら登利平の鶏めしは食うべし。うまい!


投稿者 bellwin : 2006年07月09日 17:07