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2008年01月02日

2007年ベストブック発表。

まず最初に、年内に発表すると息巻いておりながら、やっぱり年明けにずれてしまったことを詫びます。年末はなんだかんだ言って仕事に遊びに忙しくて…とか言い訳言っちゃいますが、ホントにもうスミマセン。来年こそはがんばります。

さて、そんな2007年のサッカー関連書物ですが、例年になくしっかりとしたモノがたくさん発表された感があります。これはひとつには、①ワールドカップも予選もなく浮ついた企画モノが簡単に出せない事、②サッカー好きな編集者が増えた、③その編集者もこんな本買うのはマニアだ!ということで中途半端な企画では売れないということを意識した、④でもやっぱりそんな売れないんだけどね、といったところが理由なのでは、と推測されます。因みに日本出版界の売り上げは年々下がっております。皆さん、良本を生むためにももっと本を買いましょう。

また、数多くの投票もありがとうございます。今年は60件の投票がありました。昨年より少し多く、これも良本が数多く発売されたことと関係があるのかも知れません。重ねがさねお礼を申し上げます。

では、2007年ベストブックを発表します。

第1位
日本サッカー狂会(日本サッカー狂会編 図書刊行会 2007年8月) 投票総数23票

歴史を振り返るのは、今後を見据える上でも重要な事ですが、この本はサポーターといわれる人種全てに、これまでの先人の偉大さや、そこに繋がる先に自分がいる事を再認識させてくれた素晴らしい書物です。なかなか表の歴史書に出ない応援する側の歴史を振り返ることによって現在のJリーグや日本代表の応援文化の形成過程のみならず、それはイコール日本スポーツ文化の一生成過程を考察する上でも貴重な資料ともなります。”日本サッカー狂会”という今や伝説的な応援グループを語ることによりそれがサッカー応援文化の源流の全てとすることは危険がありますが、少なくともかつてのサッカー場の雰囲気を僕らに伝えてくれるだけでも重要な、そして出すべき書物でした。


第2位
蹴る群れ (木村元彦著 講談社 2007年2月発売) 投票総数9票

これは単なるサッカー書籍というにはスケールが大きすぎる内容。語られている1章1章にはそれぞれのフットボーラーの生き様や運命というには過酷過ぎる足跡が刻み込まれ、読者にサッカーを通じて人生を、生き方を考えさせます。そしてたぶん作者は作品の中で(全ての章では無いにせよ)サッカーを通じて現代史を描きたかったであろう意図は見事に反映され、読者はこの本を読むことによって新聞には載らないこの世界の知らざれる事実をも窺うこととなります。今後も作者はサッカーを通じてこの世界の不条理や憤怒、そして喜びや勇気を描き出してくれるに違いありません。いや、凄い本です。


第3位
サッカー茶柱観測所 (えのきどいちろう著 駒草出版 2007年4月発売) 投票総数8票

もともとサッカーマガジンに連載されていたものをまとめた書籍なのですが、そもそもサッカーマガジンに連載したきっかけが2002関連のスカパー!の番組出演に端を発したエピソードからで、そもそも著者はそれまでサッカーなどはあまり見ていた形跡が無いのです。にも関わらずこのサッカーに対する洞察力と、僕のようなサッカークレイジーも許してしまうような著者のサッカーを心から愉しんでいる風景が目に浮かぶ文章はまさに脱帽。路上のサッカーからワールドカップまで同じ目線でしかも楽しく書けるライターは稀であり、サッカーファンなら誰でも楽しく読める1冊です。ブログに駄文を書いている身としてはその目線の斬新さや文章の勉強にもなりました。まさにプロの文章です。

以上です。今年は得票数順とまったく同じになりました。多くの方がたぶん納得の順番ではないかと思われます。因みに次点としては実況席のサッカー論(山本浩・倉敷安雄共著 出版芸術社 2007年11月)を上げたいと思います。これも素晴らしい本でした。
以上、今年もサッカー書籍をヨロシクお願い致します。

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受賞3作品

投稿者 bellwin : 2008年01月02日 08:24