« ワールドカップアジア3次予選 対タイ戦 | メイン | 東アジア大会 対北朝鮮戦 »

2008年02月14日

POLICE 日本公演

登山に於いて何らかの理由で登頂を諦めたりするときに自分を納得させるために良く使われるのが「山は逃げない」という言葉である。確かに山は逃げない(=動かない)。だから、ここで諦めても再挑戦すれば良いじゃないか。確かにその通りである。だが、僕はこの言葉は嘘だと思っている。山は逃げるのである。いや、”逃げる”というより”逃げてしまう”のである。

昨日、十年ぶりくらいにロックコンサートに行った。POLICEの再結成ライブである。自分が10代後半のロックにどっぷりはまっていたいた頃にPOLICEは全盛期だった。特に、僕はギターをやっていたこともありアンディ・サマーズの音の作り方にもの凄く関心があり、当時は高かったデジタルディレイなるハードウエアを買ったりしてそのサウンドを真似(真似するのもテクニック的に大変なのだが)してみたり、とにかく同バンドはヒーローだったのだ。だが、タイミング悪く来日コンサートに行く機会がついぞ無く(最後の日本公演は僕が16歳の頃)、そのうちPOLICEは解散してしまう。だから、いつか、再結成をしたら絶対に見に行こうとずーっと思っていた。それが今回の再結成ライブで実った訳である。ある意味とても感慨深かった。

そんな思い入れたっぷりの同コンサートはとにかく往年の名曲のオンパレード。「Message in a bottle」からラストの「Next to you」まで懐かしさ溢れまくり&超絶技巧ぶりで往年のロックキッズ達を湧かす。スティングの声も音程を下げている(だろう)こともあり良く出ており、相変わらずのアンディのギター表現とコープランドのタイトなドラムも健在で、あっという間の1時間半だった。

だが、やはりコレはもっと若いうちに見に行きたかった。さすがにこの年になるとどこか冷めてみているところがあり、開演中はずっと(席がドームの最上段だった事もあり)鑑賞モードで、ロックコンサートにあるまじき座っての観戦だった。ノリノリで突っ走るぜ!みたいなロックな状態ではなかった。実際、廻りを見ると同年齢の方が多く、そのほとんども同様の懐かしさを噛みしめながらの観戦モード状態でコンサートを愉しんでいた。

そんな状態で3人のライブを眺めながら、やはり若い勢いのあるときにあのコンサートに遭遇したかったな、とフト思ったのだ。もし行っていたなら、バンドとしての最小ロット(3人)とは思えない音の広がり間を生む超絶技巧ぶりと、曲の素晴らしさとで感動しまくりで、僕のその後の人生まで変えてしまったかも知れない。そこまで大げさでなくとも、たぶん当時なら開演中は音の波に飲まれてより深いエクスタシーを感じていただろう。すげえもの見た!と心底思えただろう。

でも今は、落ち着いてその凄さを俯瞰するような冷めた目で見てしまうのが自分の現状であり、それは良い言い方をすれば”落ち着いた”ということなのだろうが、悪く言えばロックを愉しもうとする気力が失せているということでもある。少なくともその音にどっぷりハマったロックコンサート特有のエクスタシーは感じられなかった。良かったとは思ったが、感動したとは思わなかった。それが悲しかった。

山は逃げてしまう。これはいわば山そのものよりもこちら側の問題である。人間は月日が経てば老い、そしてそれに伴い体力と気力と感受性が奪われていく。以前はイケたものもイケなくなってしまう。確かに山は動かないで変化せずいつまでもそこにあるが、こちらは月日と共に以前の自分ではなくなってしまう。体力と気力と感受性が削がれ、そして山は逃げるのである。

やはりPOLICEのライブはあと20年は前に行っておきたかった。彼らの奏でる音は昔のままだった。でも自分は昔のままではなかった。楽しかったが切なかった、そんな10年ぶりのライブコンサートであった。

080213POLICE.jpg
しかし何年経ってもドームの音響は酷い。

投稿者 bellwin : 2008年02月14日 21:54

コメント

確かに音響は最悪ですねドームは・・長野くんだりから野郎4人で見に行きましたよ!(笑)学生の頃にポリスは見に行きました当時はゼニヤッタ・・の発売後でハコも小さくドライブ感は凄まじかったです。

投稿者 遼一 : 2008年02月16日 15:25