小宮良之氏の「アンチ・ドロップアウト」読了。
ワールドカップまで2ヶ月を切ってくると、さすがにサッカーモノ、特にワールドカップ関連書籍の発売は増えてくる。その中でこの本は異色の内容で、いわゆるギリギリのラインでサッカー選手という職業に踏みとどまって戦っている選手達を追ったノンフィクション。
ここで取り上げられるのは財前宣之、石川直宏、小澤英明、阿部祐大朗、廣山望、佐藤由紀彦、金古聖司、藤田俊哉、茂庭照幸、李忠成。これらの名前を見ただけで「買おう」と思い、それは正解だった。
"生き様"みたいなかっこよい言葉だけではない、そこには普通の人間では当然あるべきの弱さの露呈、わがまま、人間関係、そんな要素があってこその"今"というものを丹念に追っている姿勢にこのノンフィクションの良質さが出ていた。
確かにサッカーの事実はピッチの中だけであり、そこに至る過程ばかりに眼を向けると本質とは離れてしまうものなのだが、しかし過程があってからこその真実であり、特に崖っぷちを駆けている者達の真実を読むことによってサッカー、いやスポーツの事実を再認識出来る。それは爽やかなイメージで語られるこれらが実は"生きる"という事に面と向かうととても残酷でもあるという事実...。
是非一読をお勧めします。

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